熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

Donna Lee

■コード進行
||:AbM7|F7|Bb7|Bb7|
|1.Bbm7|Eb7|AbM7|Ebm7 Ab7||
||DbM7|Dbm7|Cm7|F7|
|Bb7|Bb7|Bbm7|Eb7:||
|2.Gm7(b5)|C7|Fm|C7||
||Fm|C7|Fm7|Bdim7|
|Cm7(b5) F7|Bbm7 Eb7|AbM7|Eb7||

まあ、なんということはないコード進行です。
テーマがバップフレーズそのままであることと、大体において速めのテンポでやることが多いという以外は…。f(^_^;
だからテンポにこだわらなければ、初心者でも歯が立たないことはないし、テーマを覚えるだけでもいい練習になるのではないでしょうか?

またテンポが速いということに関しては、大概のアマチュアプレーヤーが「速い!」と必要以上に思い込みすぎていて、 焦りまくった演奏になりがちです。
テンポをできるだけ大きなまとまりで捉えて、ゆったりと弾けるように練習しましょう。
もし200bpmで演奏するのなら、50bpmでメトロノームを鳴らして「1小節の1拍目だけ鳴っている」と感じながら練習してみましょう。
これはこれで意外に難しいのですが、200bpmで鳴らして練習するときより余裕を感じられるはずです。

■解釈
●1小節:トニック。Abイオニアン。
●2小節:いわゆるVI7ですが、次のコードはIIm7ではなくII7となっています。
次のコードがIIm7(つまりBbm7)なら当然hmp5blowスケールが適用されるところですが、 II7なので「ミクソリディアン?」と迷う方もいらっしゃるかもしれません。
アドリブの時はどっちでもかまいませんが、テーマの時はメロディがhmp5blowスケールで構成されていますので、 Fhmp5blowスケール(またはオルタード)でヴォイシングしましょう。
●3,4小節:Bbミクソリディアン。またまたでました、セカンダリードミナントですね。
以前とりあげた「The Shadow of Your Smile」や「All Of Me」でも解説していますので、参照してみてください。
3小節目をFm7、4小節目をBb7とツーファイブに因数分解してもかまいません。
●5〜7小節:AbMトニックへのツーファイブですね。Bbドリアン、Ebミクソリディアン、Abイオニアン。
●8小節:9小節目のDbMへのツーファイブです。Ebドリアン、Abミクソリディアン。
●9,10小節:「All Of Me」でも解説したIVM7→IVm7ですね。Dbリディアン、Dbドリアン。
●11,12小節:アドリブの時は、Cドリアン、Fミクソリディアンでもかまいませんが、テーマの時はメロディにあわせてCフリジアン(Abイオニアンの代理と考える)、Fhmp5blowスケールと考えましょう。
●13,14小節:ここもセカンダリードミナントですが、メロディにE音(#11)が出てきます。
ミクソリディアンでも間違いではありませんが、Bbリディアン7thスケール(Bb,C,D,E,F,G,Ab)を適用し、CM/Bb7などのアッパーストラクチャーコードを使うとよりかっこよくサウンドします。
●21〜27小節:Fmトニックへのツーファイブですね。Gm7(b7)→Gロクリアン、C7→Chmp5blowスケール。
●28小節:Bディミニッシュスケール。
ただスケール音を並べるだけでもそれなりにかっこいいですが、Bディミニッシュスケール=Gコンビネーションディミニッシュスケールというところから、Bdim7の代わりにG7(b9,#9)などを想定したメロディをあてはめるのもかっこいいです。
●29小節:11,12小節と同じ。
●30,31小節:5〜7小節と同じ。

■できれば覚えたい小技
冒頭の2小節ですが、
|AbM7|F7|を
|AbM7 G7|Gb7 F7|とよくリハーモナイズされています。
反応できるようにするとよいでしょう。
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