熊本ジャズライブガイド
セッションマナー講座

効率的なレパートリーの増やし方「好きな曲優先も悪くありませんが」

どんな曲をレパートリーとして選んでいけばいいのか、星の数ほど曲がある中、難しい問題ですね。
というわけで、新レパートリーを考えていく際のポイントを考えてみましょう。

1. 人気曲かどうか、有名曲かどうか
人に知られていない名曲もありますし、とても難しい曲なのであまり人がやらない曲なんてのもありますね。
そういう曲をセッションで演奏するということは、一緒に演奏してもらう人に対しても、 リスナーに対しても、自分の趣味を押し付けることになりますから、慎重にやる方がいいと思います。
時と場合をしっかり選ぶ必要があると言えるでしょう。
そういう意味で、セッションで人気のある曲、有名な曲から優先して選んでいく方が良いと言えます。

2. 長調か短調か
大雑把に言って、短調の方がサマになりやすい気がしますし、長調の曲をジャズっぽく感じさせるように演奏するのは大変そうな気がします。
これは気がするだけで、実はどちらも難しいというのが正解なんで(笑)、自分の好き嫌いを抜いて、なるべく均等に選びたいですね。
ただ、難しい調については、無理することなく後回しにしてもいいでしょう。

3. ミディアムテンポばっかりになっていないか
アップテンポも難しいし、ゆっくりのバラードもかえって難しい。
でも、やりやすいテンポばっかりやってると、技術的にも伸びませんし、何より聴いてくれてる人が退屈します。
自分にとってギリギリできるかできないかのテンポにも少しずつチャレンジしてみるということで、 新レパートリーを選んでみるのもいい考え方だと思います。

4. リズムの種類
ジャズの基本はスイングですが、同じスイングでもいろんなテンポ、2ビートなのか4ビートなのか、 3拍子、そういうバリエーションがあります。
また、いろんなエスニックなリズム、アフロ・キューバン、サンバ、ボサノバなどをどん欲に取り入れてきたジャズの歴史がありますので、 そうしたリズムにも果敢にチャレンジしていきたいですね。

5. AABA形式、ABAC形式
セッションのホストをやっていて、みなさんがやりたい曲のリストから演奏曲順を決める際に、 AABA形式の曲ばかりがずらり、という状態もさけたい事態のひとつです。
飛び入りで入ってきて、「駆けつけ1曲どうですか?」などと振られた場合に、 前曲がAABA形式だったら、ABAC形式の曲を選曲したりするとナイスです。 どちらかに偏らないように選んでいくとよいでしょう。

6. 転調の有無
転調が多い曲というのは、それをレパートリーにするための努力は大変ですが、やれたらかっこいいですよね。
また意識の高い人ほど、「ジャズは転調だよ」なんて、そういう曲をかっこよく感じがちなのかもしれません。
もちろん間違いではないのですが、セッションというのは、「ジャズという言語を使って会話を楽しむ場」です。
転調の多い難曲をやり遂げる達成感も大事ではありますが、それは自分でバンドを組んで研究するようにして、 余裕を持って会話を楽しめるレベルに自分がある程度なったら、セッションでもやってみる。
そんな風に考えておく方がよりベターだと思います。

以上のように、自分がやりたい曲ばかりを優先せず、一緒にやる人たちと楽しめるようにするためには、 聴いてくれている人たちを退屈させないようにするためには、ということを考慮に入れながらレパートリーを増やしていくと、 効率的だし間違いがないと思います。


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