熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

セッションの仕切りについて、って私的意見ですが…

セッションのホスト役ってたいへんですね。お客さんとしてしか参加したことない人には分からないでしょうが、これはたいへんな仕事ですよ。実際仕事としてホストミュージシャンをやっている人に対しては、「それが仕事じゃん」と参加者は甘えて当然な態度でもいいと思いますが、これをボランティアでやっている人には、それなりの敬意をまず持ちましょう。

某店の月例セッションは、セッションリーダーは指名輪番制になっているので、やってくれる人は毎回「お疲れ様!」とホント労いたい気持ちになります。ただ音楽面での仕切り方については、どうやったらいいのか分からないでやっている人も多いように見受けられます。
とにかく、セッションリーダーを務めるということは、その日行われる組み合わせの全てにおいて、当意即妙にバンマス役を勤めるということに他なりません。

モラルも絡んでくる話なので、人それぞれ考え方はあるでしょうが、僕が個人的に思うセッションリーダーの役割について、今回ちょっと書いてみたいと思います。だからといって、これを読んで「こんなことは私にはできない」と尻込みしないでほしいと思います。リーダーをつとめることも修行の一つです。まずはやってみることです。どうせやるならやってみる。そうすれば音楽的センスの向上に役立つことでしょう。

【選曲について】
《リーダー側が留意するべきこと》

A:「サテン・ドールもまともにできないやつがスペインッ?身の程知らずが!」
B:「みんなが楽しく参加できるならカシオペアやったっていいじゃん。誰に迷惑かけるでなし…。」
C:「オリジナル?そんなの自分のバンドでやれば?セッションなんだからみんなができる曲やらないと。」
どの意見も正解。ポリシーの持ちようだと思います。僕自身はAを肯定しつつBって感じです。Cはケースバイケースかな。とにかく広い心が必要ですね。ある程度のポリシーは持ちつつ、「こうじゃなきゃダメ」と決めつけないバランス感覚。それが大事なのではないでしょうか。

《参加者側が留意するべきこと》
初心者はちゃんと自宅を出る前に、練習した上で決めてくること。
フロント側は、あまりわがままを言わないこと。f(^_^;
リズム隊側もいつもフロント任せにせず、たまには自分がテーマをとるくらいで。ドラムでコンファメーションのテーマ演奏、かっこいいじゃないですか!(笑)

【メンバーの組み合わせについて】
《リーダー側が留意するべきこと》
初心者はあんまり上手い人と一緒だと緊張しちゃうし、中級者はできるだけ上手い人とやりたいと思っているし、上級者は初心者・中級者とやってもいいけどたまには上級者同士でもやらせてほしいと願っているものです。その辺を上手く察しつつ、みんなが満足できるようにオーダーしてあげられれば最高ですね。特に初心者ばっかりにならないように、ベテランを最低1人は入れるようにしてあげたほうが優しいと思います。

《参加者側が留意するべきこと》
「あの人とはやりたくない」とか、あんまり言わないようにしましょう。f(-_-;

【曲のディレクションについて】
《リーダー側が留意するべきこと》
とかく参加者というものは上級者でも自分のソロのことしか考えてなかったり、あるいは初心者は余裕がなかったりして、人のことまで気が回っていなかったりします。曲をはじめるにあたって、「キーは?」「グルーブは、4ビート?ラテン?コンビネーション?」「イントロあり?なし?」「キメはあり?なし?」「エンディングはあり?なし?」そういったことをメンバー全員が理解できるように確認してあげると、スムーズに演奏できると思います。
ですから、このディレクションというところが、リーダーの音楽的見識が問われるところです。いろんな曲を知っている(聴いたことがある)か、よくやるイントロやエンディング、キメのパターンを知っているか、またはその場でやれそうな面白いアイデアを提供できるか…。そうした知識はなかなか一朝一夕に身につくことではないですが、場合によっては演奏者にその場で指示してあげれるくらいになりたいものですね。
ただし、ある程度以上のレベルの人たち同士で演奏する場合は、お互いに音で「こういうの知ってる?」と、その場で当意即妙に場面を切り替えていくのが醍醐味だったりするので、メンバーしだいでその辺をわきまえましょう。

《参加者側が留意するべきこと》
自分のことだけでいっぱいいっぱいだったりすると思いますが、アンサンブル全体のことや、曲の全体的な構成のことにも思いをはせるようにしましょう。これも初心者は家を出る前に充分に練習し、しっかり準備しておくこと。せっかく準備してきても、周りメンバーの都合でできないという場合もありますが、準備したことそのものは絶対無駄にはなりません。準備したとおりにできない場合でもあまり固執したりあわてたりせず、その場でできることを一生懸命やりましょう。
また、その場で起きたハプニング(事前の打ち合わせにはなかった展開になってしまった)にも、「話が違〜う」と目くじら立てず(あなたが周りの音を聞いていなかっただけかもしれない)、にっこり柔軟に対応するようにしましょう。

【特にテンポについて】
《リーダー側が留意するべきこと》
曲をはじめるにあたって、テンポの設定およびテンポ出し(カウント)はきわめて重要です。初心者の出すテンポは、分かりにくかったり、その曲をやるには速すぎたりするので、気持ちゆっくり目のテンポを出してあげて、リーダーのカウントではじめるといいと思います。

《参加者側が留意するべきこと》
自分がやれるテンポ、気持ちがいいテンポをしっかり把握しておくようにしましょう。実験的に速いテンポを試してみるのもいいですが、自分以外のメンバーがついてこれるかどうかよく考えてみましょう。

この他にもいろいろあると思いますが、とりあえずはこの辺で。
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