熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

ピアノ練習の勧め

このカテゴリ記事をただ読むだけでなく、ちゃんと練習している人が少数ながらもいるらしいので、もうちょっとだけ知識をひけらかして(笑)みたいと思います。

僕の経験においてアマチュア管楽器奏者の殆どは、ピアノやギターなどの和声楽器を練習しません。当然ベースラインも弾けません。ヴォイシングも知りません。それでソロの練習においては、アカペラでやるとロストしてしまうので「カラオケがないと…」ということになってしまいます。で「カラオケ」とあわせている限り、なんとなく演奏できたような気になっても、その「カラオケ」を取り去ってみるとやはりロストしたり、そもそもコード感・構成感のない演奏になってしまっていたりします。

本業のピアニストにしてからが、ルートをボトムにしたヴォイシング(必ずしも間違いではないですけど)をしていたり、「m7」と「m7(b5)」の区別がついてなかったり、左手と右手でテンションの選択がバラバラだったりと、あれ〜?な場合があります。

あるスタンダードナンバーを練習しようという際に、予習として理論的な分析も必要ですが、ピアノで「そこそこちゃんとしたコードサウンド」を自ら弾いてみてそれを記憶し、アカペラで(つまりメトロノームだけで)アドリブの練習をする場合に脳内にそのサウンドを鳴らし続けることができるようになると、おのずからソロの内容も変わってくるはずです。少なくとも「あ、外しちゃったな」という自己認識がうまれてきます。というわけで今回はピアノ練習の方法について。
とはいっても、とてもシンプルなものですから取り入れやすいと思います。
まず左手は鍵盤の下の方(笑)でルート音を押さえます。そして右手は鍵盤の真ん中あたりで3度と7度を押さえます。それだけです。(^o^;でもこのかたちで覚えることに実はかなり意味があるのです。ジャズピアニスト志望の人にしろ、これで練習しておくと後で発展していきやすいのです。
(よく1,3,5,7とかその展開形で覚えようとする人がいますが、あれはその後の発展性が全くないのでやめた方がいいです)

■メジャートニックへのツーファイブの場合
IIm7(左手:ルート、右手:b3,b7またはb7,b3)
V7(左手:ルート、右手:b7,3または3,b7)
IM(左手:ルート、右手:3,7または7,3)
ここで大事なことはIIm7で[b3,b7]を選択したら、次のV7では[b7,3]を選択し、トニックでは[3,7]を選択するということです。その方がスムーズでしょ?まあやってみたらわかります。

■マイナートニックへのツーファイブの場合
IIm7(b5)(左手:ルート、右手:b3,b5,b7またはb7,b3,b5)
V7(左手:ルート、右手:b7,3または3,b7)
Im(左手:ルート、右手:b3,5または5,b3)
音の選択はメジャートニックと同様に互い違いになるように選択していきます。ただマイナーの場合はサブドミナントに「b5」を追加するところが少しややこしいですね。また、トニックマイナーであっても「m7」と書いてある市販譜面は多いですが、「b7」を入れると解決感が損なわれる場合もあるので、ここではあえて「b7」ではなく5度を使うことにしています。

案ずるより生むが易しです。最初は考え考えやることになると思いますが、なれればけっこう簡単だと思います。
練習する曲のコード進行でのコードトーン(特に3度と7度)を視覚的にも聴覚的にもインプットしておくと、特に単音楽器の人にとっては直接的ではないにしろ素晴らしい効果があると思いますのでおすすめです。
ピアニストにとっても基本中の基本です。ルートはベーシストが弾いてくれるので省略して、上の2声にテンションノート1つ足せば立派なジャズヴォイシングになります。(その場合、左手で弾いてください。右手に関しては機会があれば…。)

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