熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

パターン化も大事だけど

いちいち書くのもなんですが、一応断り書きということで。
このスタンダード解説は、初級編ということなので、かなりパターン化された情報を掲載しています。パターン化されていると学習はしやすくなると思いますが、じゃあ実際に現場でそうしているかというと、もう1段2段ひねりが必要だったりします。
具体的にはどういうことかといえば、例えばマイナートニックで使うスケールは「初級編」ではエオリアンとしていますが、バップ的にはメロディックマイナーを使うことが主流だったりします。また、サブドミナントはロクリアンとしていますが、ロクリアン・オルタード(ロクリアンの2度音が#する)を使うことが多いです。スケールが変われば、フレーズもヴォイシングも組み立てが当然変わります。
しかし初級編では学習者が理解しやすいように、あえて基本であるダイアトニックのみをかいているわけです。ですから、「こうじゃないとダメ」とは絶対に思わないでいただきたいのです。
僕がやっているレッスンでも、「3種類のロングトーン」とか「8分音符はイーブンが基本」とか「表裏じゃなくて裏表(何のまじないだ?笑)」とかパターン化された情報を教えたりしているわけですが、実際のステージではその原則を破る場合も多々あるわけで、これは意図的にやっていることなんですね。(もちろん、ミスしている場合もあります。f(^o^;)

結論として言いたいことは、学習者にはパターンを全面的に受け入れる素直さも大事だけど、パターンに呪縛されない柔軟さ、パターンを金科玉条にしない反骨精神のようなもの、これも負けず劣らず重要なんだと思います。

パターンに身をゆだねる自分と同時に、パターンを発展的に破壊する自分、この2つのイメージを持ち続ける。…そう考えると、生徒のプロ(ん?)になるのも難しいですね(笑)。でもそうした2面性を兼ね備えた人は学習能力が高いし、上達も速いというのは事実のような気がします。
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