熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

the Girl from Ipanema

■コード進行
||:FM|%|G7|%|
|Gm7|C7|FM|%:||
||GbM7|%|B7|%|
|Gbm7|%|D7|%|
|Gm7|%7|Bbm7|Eb7|
|Am7|D7|Gm7|C7||
||FM|%|G7|%|
|Gm7|C7|FM|%||

言わずと知れたボサノバの名曲です。ちなみにイパネマの娘のモデルになった女性の名前は、エロイーザというらしいです。
エ、エロ(笑)。しかし、自分がモデルになった曲がこんなに名曲として広まるって、どんな気分なんでしょうね…。

AABA形式ですが、B部が8小節ではなく16小節になっていますね。
アドリブをする際、サビを難しいと思うかもしれませんが、これまで学んできたことを応用すればそんなに難しくないです。

■解釈
【Aメロ】
●1,2小節:トニックメジャー。
●3,4小節:セカンダリードミナントというやつですね。Fメジャートニックに対するドミナント(C7)に対するさらなるドミナント(G7)ということで、そう呼ばれます。よく分からなくても大丈夫です(笑)
●5,6小節:Fメジャートニックに対するツーファイブ。
●7,8小節:トニックメジャー。1回目の時はターンバックにしても可。
※よくよく考えてみると、このコード進行って、「Take the "A" Train」と同じコード進行なんですよね。ジョークフレーズとして「Take the "A" Train」のメロディを使うというのもアリですね。逆もまたアリ。でもいつもかつも使うとイモ(笑)。

【Bメロ】
●17〜20小節:一度トニックに解決してしまったら、どこに転調してもよろしいのですが、この曲のBメロは半音上に転調してしまいます。Gbというやりなれないキーなので幻惑されますが、この17〜20小節は、IM→IV7というコード進行でしかありません。
つまり、もしキーがFなら、FM→Bb7ということですね。なんだ、ブルースと一緒じゃん(笑)
●21,22小節:IMに戻ると見せかけて、Imとひねくれてみましたって感じです。マイナートニック。
●23,24小節:次のGm7に対するドミナントですね。
●25,26小節:マイナートニック。
●27,28小節:ここは実際はEb7一発の方がいいと思う人もいるかもしれませんが、分かりやすいのでBbm7→Eb7としました。要するにここは、IVm→VIIb7です。半音上に転調して、すったもんだの挙句、FMに戻ることを示唆し始めるコードになります。この後はお決まりの流れですね。
●29〜32小節:いわゆるIIIm7→VI7→IIm7→V7ですね。

■ペンタトニックスケールによるアプローチ
【Aメロ】
●1,2小節:メジャートニックですからFメジャーペンタですね。
●3,4小節:この2小節、コードはG7ですが、セブンスはツーファイブに分解できることから、Dm7→G7とすることが可能です。これをIIm7→V7とせず、Im7→IV7と解釈して、Dマイナーペンタトニックが使えるということになります。
構成音は前のi,2小節のFメジャーペンタトニックと一緒なんですが、Dマイナーペンタトニックと考える方がやりやすいんだな、これが。
●5,6小節:Fメジャートニックに対するツーファイブの部分ですから、もちろんFメジャーペンタトニックが使えますが、Fマイナーペンタトニックも使えます。Fマイナーペンタトニックを使うほうが、変化があって面白いですね。
●7,8小節:1,2小節に同じ。

【Bメロ】
※「解釈」と交互に読んでもらうと分かりやすいと思います。
●17〜20小節:もしFM→Bb7というコード進行があったら、どうしますか?しろひセッションのやり方で考えると、自然とFMにはFのメジャーペンタトニック、Bb7にはFマイナーペンタトニックを使いますよね。
ここはGbM→B7というコード進行ですから、GbMにはGbメジャーペンタトニック、B7にはGbマイナーペンタトニックです。
●21,22小節:Gbマイナートニックですから、Gbマイナーペンタトニックですね。
●23,24小節:Gm7へのドミナントですから、Gマイナーペンタトニックですね。
●25,26小節:Gマイナートニックですから、Gマイナーペンタトニックですね。
●27,28小節:IVマイナーには?そう、Iマイナーペンタ。つまりFマイナーペンタトニックですね。
●29,30小節:IIIm7はIMの代理コード。そう考えるとIメジャーペンタトニックが使えますね。
●31,32小節:5,6小節と同様。

■ダイアトニックスケールなどによるアプローチ
●FM:Fイオニアン。
●G7:Gミクソリディアン(リディアンセブンス)。
●Gm7:Gドリアン。
●C7:Cミクソリディアン。
●GbM7:Gbイオニアン。
●B7:Bミクソリディアン(リディアンセブンス)。
●Gbm7:Gbドリアン。
●D7:D Hmp5below。
●Gm7:Gドリアン。
●Bbm7:Bbドリアン。
●Eb7:Ebミクソリディアン。
●Am7:Aフリジアン(ドリアン)。

■TIPS
というわけでペンタトニックでのアプローチをまとめると、
【Aメロ】
|Fメジャー|ペンタ|Dマイナー|ペンタ|
|Fマイナー|ペンタ|Fメジャー|ペンタ|
FメジャーとDマイナーは構成音が同じですから、要するに2種類。

【Bメロ】
|Gbメジャー|ペンタ|Gbマイナー|ペンタ|
|Gbマイナー|ペンタ|Gマイナー|ペンタ|
|Gマイナー|ペンタ|Fマイナー|ペンタ|
|Fメジャー|ペンタ|Fマイナー|ペンタ|
新たに出てきたペンタトニックは、Gbのメジャー・マイナーペンタとGマイナーペンタの3種類ですね。これで出来ちゃう!(笑)
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