熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

on Green Dolphin Street

■コード進行
||:EbM|EbM|GbM/Eb|GbM/Eb|
|FM/Eb|EM/Eb|EbM|Gm7 C7||
|1.Fm7|Bb7|EbM|Bbm7 Eb7|
|Abm7|Db7|GbM|Fm7 Bb7:||
|2.Fm7|Dm7b5 G7|Cm|Am7b5 D7|
|Gm7b5 C7|Fm7 Bb7|EbM|Fm7 Bb7||

元はイギリスを舞台にした映画音楽らしいのですが、 マイルス・デイビスやビル・エバンスなどはじめ数多くのジャズメンが好演を残し、すっかり「ジャズの曲」ですね。
ABAC形式の曲ですが、A部分がとても特徴的でかっこいいですね。
セッションでもよく取上げられる曲と思いますが、「難しい!」と認識されている方が多いようです。
確かにいろんな解釈が可能な曲ですので、難しくやろうと思えば難しいのですが、 初心者の方は背伸びすることなく、下記の解釈にしたがって攻略すれば、それほど難しくはないと思います。

■解釈
●1,2小節:トニックメジャー
●3,4小節:ドミナントモーションなしにいきなりGbメジャーに転調していると考えましょう。
ソロをとる際はベースペダルのEbは無視してかまいません。
●5小節:同様にFメジャーに転調していると考えましょう。
●6小節:さらに同様にEメジャーに転調しています。
●7小節:もとにもどってトニックメジャーです。
●8小節:ソロをとる際は1小節ごとC7と考えてかまいません。
いわゆるVI7で次のFm7に解決するためのドミナントコードと考えることができます。
●9〜11小節:Ebメジャーに解決するツーファイブ。
●12小節:8小節目と同様に次のAbm7に解決するためのドミナントコードと考えることができます。
●13〜15小節:Ebから短3度あがったGbメジャーに解決するツーファイブ。
●16小節:Aメロ冒頭に戻るためのツーファイブ。
●25〜27小節:サブドミナントのFm7が出てきてEbメジャーに解決するかと思いきや、 平行調であるCマイナーへのツーファイブが出現してCmに解決します。
●28小節:Gマイナーへのツーファイブ。
●29小節:Fマイナーへのツーファイブ。
●30,31小節:Ebメジャーへのツーファイブからトニックに解決します。
●32小節:16小節と同様。

■ペンタトニックスケールによるアプローチ
「解釈」を読むとAメロはあんまり出てこないパターンだし、 転調ばっかりでややこしいと思われるかもしれませんが、 実はEbメジャーペンタトニックとEbマイナーペンタトニックだけで演奏出来ちゃいます。あら不思議(笑)
【A(1〜8及び17〜24小節部分)】
●1,2(17,18)、7,8(23,24)小節:Ebメジャーペンタトニック。
●3〜6(19〜22)小節:Ebマイナーペンタトニック。
【B(9〜16小節部分)】
●9〜12小節:Ebメジャーペンタトニック。
●13〜16小節:Gbメジャーペンタトニック(=Ebマイナーペンタトニック)。
【C(25〜32小節部分)】
●25〜28小節:Cマイナーペンタトニック(=Ebメジャーペンタトニック)。
●29〜32小節:Ebメジャーペンタトニック。
というわけで、けっこう簡単でしょ?f(^o^;

■ダイアトニックスケールなどによるアプローチ
●EbM:トニックメジャーですからEbイオニアンですね。
●GbM:Gbイオニアン。リディアンや、セブンスと仮に考えてリディアン7thも有効です。
●FM:Fイオニアン。リディアンや、セブンスと仮に考えてリディアン7thも有効です。
●EM:Eイオニアン。リディアンや、セブンスと仮に考えてリディアン7thも有効です。
●|Gm7 C7|のところ:公式通りGドリアン→Cミクソリディアンでもいいですが、1小節丸ごとC7と考えて、 C hmp5belowを使うのも有効です。
●Fm7:IIm7ですから公式通りFドリアンです。
●Bb7:V7ですから公式通りBbミクソリディアン。
●|Bbm7 Eb7|のところ:公式通りドリアン→ミクソリディアンでもいいですが、1小節丸ごとEb7と考えて、 Eb hmp5belowを使うのも有効です。
●Abm7:IIm7ですから公式通りAbドリアンです。
●Db7:メジャートニックへ向かうV7ですから公式通りDbミクソリディアン。
●GbM:IMですから公式通りGbイオニアン。
●Dm7b5:IIm7b5ですから公式通りDロクリアン。
●G7:マイナートニックへ向かうV7ですから公式通りG Hmp5below。
●Cm:Imですから公式通りCエオリアン。
●Am7b5:IIm7b5ですから公式通りAロクリアン。
●D7:マイナートニックへ向かうV7ですから公式通りD Hmp5below。
●Gm7b5:IIm7b5ですから公式通りGロクリアン。
●C7:マイナートニックへ向かうV7ですから公式通りC Hmp5below。

■TIPS
というわけで、とてもシステマチックに構成されている曲なので、 ツーファイブフレーズを当てはめる練習にピッタリの曲といえると思います。
まずはペンタトニックのリフを当てはめる練習をします。この練習で、曲全体の構成をしっかり確認するといいでしょう。
その後、ちょっとしたツーファイブのフレーズを、当てはめられそうなところから少しずつ入れていくようにするとよいでしょう。
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