熊本
ジャズライブガイド

スタンダード解釈

the Days of Wine and Roses

■コード進行
||:FM|Eb7|Am7|D7|
|Gm7|C7|Bbm7|Eb7|
|1.Am7|D7|Gm7|Em7(b5) A7|
|Dm7|G7|Gm7|C7||
|2.Am7|D7|Bm7(b5)|Bb7|
|Am7 D7|Gm7 C7|FM D7|Gm7 C7||

アメリカ映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニの名曲ですね。
僕の大好きな「刑事コロンボ」のテーマもこの人です(笑)
と、いきなりマニアックなところにいきましたが、有名曲「ムーン・リバー」なんぞもこの人ですね。
このいわゆる「酒バラ」ですが、愛称(略称)もあるくらいにセッションでは人気の高い曲ですから、是非マスターしましょう。

■解釈
●1小節:トニックメジャー。
●2小節:VIIb7ですね。IVm7→VIIb7→IMというコード進行がありますね。そのIVm7が省略された形だと考えます。
●3小節:トニックメジャーの代理コードIIIm7です。
●4小節:次のGm7へのドミナントV7です。
●5,6小節:トニックメジャーへのツーファイブですね。
●7,8小節:前の小節の流れからするとFMにいきたくなりますが、グッとガマンして(笑)IVm7→VIIb7につなぎます。
もちろんここだけ見るとAbMへのツーファイブと考えることも可能です。
●9〜11小節:ここも前の小節の流れからするとFMにいきたくなりますが、またまたグッとガマンして(笑)代理コードのAm7からD7へ移動してGm7でちょっとだけ落ちつきます。
●12小節:平行調のDmへのツーファイブですね。
●13,14小節:平行調であるDm7とそのIV7と考えてもいいし、セカンダリードミナントであるG7(II7)を因数分解した形だと考えてもいいです。
●15,16小節:トニックメジャーへのツーファイブですね。
●25.26小節:9,10小節と同じ。
●27,28小節:この曲のイチバンかっこいいところ。俗に「マンシーニのm7(b5)」と呼ばれるコードで、IIm7へいかずにIV#m7(b5)を使ってグッと盛り上がり、IV7(Bb7)につなぎます。Bb7は次の29小節目のAm7に対するドミナントV7(E7)の裏コードにあたります。
●29,30小節:いわゆる3625ですね。
●31,32小節:いわゆるターンバックですね。

■ペンタトニックスケールによるアプローチ
解釈を見るとややこしくてゲンナリする方もいらっしゃるかもしれませんが、たった3種類(実質2種類)のペンタトニックスケールで攻略することができます。
●1〜6小節、9〜11小節、17〜22小節、25,26小節、29〜32小節:Fメジャーペンタトニック
●7,8小節、15,16小節、23,24小節:Fマイナーペンタトニック
●12〜14小節、27,28小節:Dマイナーペンタトニック(Fメジャーペンタトニックと同じ構成音)

■ダイアトニックスケールなどによるアプローチ
●FM7:Fイオニアン
●Eb7:Ebミクソリディアン(リディアン7th)
●Am7:Aドリアン(フリジアン)
●D7:D Hmp5below
●Gm7:Gドリアン
●C7:Cミクソリディアン
●Bbm7:Bbドリアン
●Em7(b5):Eロクリアン
●A7:A Hmp5below
●Dm7:Dドリアン(エオリアン)
●G7:Gミクソリディアン(リディアン7th)
●Bm7(b5):Bロクリアン
●Bb7:Bbミクソリディアン(リディアン7th)

■TIPS
●「どーちてBm7(b5)でDマイナーペンタトニックなの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、説明すると長くなるので黙ってやってみてください(笑)
●テーマ演奏では、よほどのへそ曲がりでないかぎり、27小節目が最大ボリュームになるようクレッシェンドするのが自然に感じられると思います。クライマックスですので、ここで大いに盛りあがるようにしましょう。

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